顧客視点で考えるとBtoBマーケティングでやるべきことがわかる。

2024.04.20

BtoB / マーケティング

届けたいなら、書を捨てて顧客を見よう。

今回は中小企業のBtoBマーケティングをテーマに扱います。kumuもBtoB事業ですので、これまでの経験も踏まえて話を展開していきます。BtoBマーケティングにおける一つの障壁は、「専門性を高めれば高めるほど伝わりにくい」ことにあるのではないでしょうか。

他者と比べてこの機能がこのように優れている。こういった特徴があるから他社にはできない手法を扱うことができる、など。
専門性を高めれば高めるほどその業界に関しての知識を追求するため、業界の外にいる方々には理解しづらいことまで訴求している場合があります。
たしかに提供できるものが優れていることは大切です。それが顧客のためになるのですから。
しかし、顧客自身がそれを判断できない状態になってしまうのは気をつけなければいけません。

我々のような業態では、特にその傾向が強い印象です。
無形商材であるが故に、フレームワークや専門用語を多用し、信頼を得るという場合もあります。しかし、伝えることを重要視した場合、このようなフレームワークや専門用語はいらないのかもしれません。

顧客は何を求めているのか?今回もここから始めていきたいと思います。
顧客視点に関する過去の記事はこちらを参照ください。

有形無形に関係なく、BtoB商材は非常に説明が難しいと思います。だからこそ、完結に顧客の何が解決できるのかという観点が大切です。
もし類似商材からのリプレイスを考えている可能性が高そうであれば、少し専門性を高めながらもそもそもリプレイスを考えるにあたった要因を解決できることを訴求するのがいいでしょう。
新規で導入を考えている企業が対象であれば顧客は商材に関して期待と不安がある状態でしょうから、ドアノックツールを用意したり、類似する事例を提示して導入を検討していただくことも考えられます。

このように顧客目線で考えるという姿勢に切り替えるだけで、やるべき施策や訴求の切り口が少しずつ分かってきます。
ちなみに今回BtoBマーケティングの記事を書こうとなったのは、リスティングにおけるキーワード検索でBtoB関連の流入が多くなっていたためです。少しずつテストマーケティングを重ね、求められている市場を狙います。

相手が何を知りたがっているかを知っているか。

これはBtoBマーケティングを行う上で非常に大切な点だと思っています。
一般的にはBtoBの購買プロセスでいうと、顧客は担当に会う前に57%が完了していると言われています。つまり、認知されても、比較や検討といった段階で接点を取れず、人知れずその候補から外されるのです。
みなさんも発注側の場合同じことをしていませんか?金額を見たり、機能を見たり。

だからこそ顧客の課題と、顧客に何を知ってもらうかは非常に大切な視点なのです。
購買プロセスの中で社内承認が発生しそうなものであれば部下の方が通しやすいように構成することもできます。
事業者などの決裁権がある方にアプローチする場合はこの商材が事業課題にどう影響するかまで提案できると尚良いのかもしれません。
これまでkumuが伴走してきたプロジェクトでは、提案だけするのではなく細かい積み重ねの上で成果を出してきました。リソースが限られる企業においては、やはり実行力が求められるのだろうと感じております。

顧客は自分たちの課題を解決してくれるかの一点で商材を見ます。徹底的に顧客視点で必要な情報を提示することがBtoBマーケティングで成果を出す一つの要因です。

顧客の解像度を上げ、解決すべき課題に寄り添う。

ドリルを売るなら穴を売れという言葉は使い古されている言葉ですが、やはり本質だなと感じます。ゴールを達成する道順をたくさん教えられても、顧客からすれば達成さえできたらいいのです。
もちろん人同士のやり取りなので極論であるとは思いますが、少なくとも達成ができない商材に顧客が予算を投下することはないでしょう。

さらに必要なのは「解決すべき本質的な課題」です。
体の他の箇所が影響して腰痛が発症するように、企業の課題は複雑であるケースがほとんどです。単に商品の売り上げを伸ばしたり、この設備をよくしたら解決するといった類のものではありません。それが実現できないもっと根深い要因があるのです。
顧客自身も気づかない本当の課題、根本治療を目指すためにここの認識を擦り合わせる必要があります。そしてこれは顧客の解像度をあげることでしか実現しません。
だからこそ、調査分析やフレームワークのみに依存せず、現場に伺い顧客の声を聞くことが大切なのです。

顧客像がわからない時の簡易的なテストマーケティング。

もちろん顧客と直接コミュニケーションを取り、情報を得ることが最も効果的ですが、難しいケースもあります。特に新規事業立ち上げ時などの顧客数が少ないタイミングなどは苦労するでしょう。そういった時に簡易的ではありますが打てる取り組みがいくつかあります。

■ 広告を利用したテストマーケティング
リスティング広告やmeta広告を使うことで反応を見ながら訴求やサービス内容を改良していきます。実際に冒頭でも述べたとおり、kumuのサービスで広告を配信した際、一定のBtoBマーケティング需要がありそうでしたので、そういった方針でコンテンツを作ることも視野に入れました。
この施策で得たフィードバックを営業資料などに活用していくことも可能かと思います。

■ モックアップ資料でのテストマーケティング
まだサービスはないがアイデアのみある場合に利用されるケースです。
プロダクト開発には必要最低限の機能でテストをするMVP(Minimum Viable Product)という概念がありますが、それよりもさらに前段階で資料のみで反応を見る方もいます。
開発に取り掛かるとそれなりの時間と予算が必要になるため、事前に商機があるかを判断する施策です。

手法に関してはBtoBマーケティングに記載されているような手法になることがほとんどです。セミナーやら展示会出展でリードを獲得して、コンテンツを作成しナーチャリングをして、、、と取り組むべきことは各企業そこまで大きく変わらないでしょう。
しかし、それは根本のスタートラインである「顧客の課題」を知ることができて初めて意味をなすものです。kumuでも根本である部分を意識しながら、コンテンツやサービスの改善を行っております。

また、他業界であるからこそできる客観的な意見出しで顧客の課題を見つける施策に関しても伴走しております。こういった細かい積み重ねが、今後長く続く他の施策に影響を及ぼすのです。

BtoBマーケティングの立ち上げサポートも行います。

kumuではBtoBマーケティングにおけるサポートも提供可能です。
自社の強みを再確認しながら、顧客に伝えるための訴求の考案や、営業ツールの作成など必要な内容を支援いたします。

著者情報

株式会社kumu|兵庫県西宮市のデザイン&マーケティング会社

中町勇輝Nakamachi Yuki

大阪府高槻市出身。京都造形芸術大学出身。大学時代に滞在した鯖江市での「いい商品が売れない」ことへのモヤモヤを解決するため、新卒で中小企業のデザイン経営を推進する「株式会社SASI」に入社。デザインとマーケティングの目線でクライアントのブランド支援を行う。目の前の売上と中期的なブランディングの両軸を踏まえた支援を意識しながら成長に貢献。

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