本気でブランディングをするならデザインとマーケティングの合わせ技が必要だと思う

2024.08.04

デザイン / ブランディング / マーケティング

“kumuでは中小企業の方からデザイン制作だけでなく、ブランディングやリブランディングのご相談を受けることもございます。事業活動をする中でよく聞くブランディング、どこか捉えどころがないですよね。今回はこれまで支援してきた経験も踏まえてブランディングにおける支援側の姿勢と、チームとして取り組むことの必要性を紐解いていきます。
※本記事では社外に向けた(アウターブランディング)活動をブランディングと称しております。

ブランディングとは何かを改めて整理する

ブランディングとは何かを一度整理してみましょう。ブランドの価値を高め、顧客や取引先、社会全体に自社と自社の商品やサービスを「独自のもの」として認識してもらい….などといったことではありません。事業活動におけるブランディングの立ち位置と役割を整理したいと思います。kumuではブランディングをこのように考えています。

このように、マーケティング活動におけるコミュニケーション戦略を統括させる役割としてブランディングを行うのです。さらに遡ると、マーケティング活動の上には事業の目的であったり、複数事業を持つ企業であれば事業ポートフォリオを見た時のシナジーにまで目を向ける必要があるかもしれません。このように単一の言葉だけでいうと実態がない「ブランディング」という言葉ですが、事業活動の流れで整理すると少し役割が見えてきました。ここからさらにブランディングの役割を深掘りしていきましょう。

ブランディングはつなぎ役?意外と気苦労がある立場

ブランディングってなんとなくきらきらしているイメージありませんか。ただ、先ほど見たように実は事業戦略およびマーケティング戦略と日々発生する各種のデザイン制作物との合理化を図るためのつなぎ役なのです。社内で決めた方針を外に打ち出す時にこの伝え方は自社らしいのか、表現は適切か、ターゲットに届くメッセージなのか。戦略を外に打ち出す時のフィルターとしてブランドを強くすることが大切だと考えています。
表現に関すること全般の核となり、これをベースに戦略が各発信媒体に落とし込まれていきます。

輪郭をつくるのが非常に困難な”ブランディング”

これまでクライアントの方々と共にブランディングを行ってきましたが、これを行えば全て解決するといった方法はございません。ブランドは受けてからの印象なども構成要素に入るため、非常に変数が多い領域です。だからこそ、共通して大切だと感じるものだけピックアップしてご紹介いたします。

明確なブランドアイデンティティの確立

企業やブランドがどういう目標(ビジョン)を掲げているのか、それはどういう世界観のもとそう考えているのか。これを設定することからブランディングを始めることが非常に多いです。商品開発と共にこれらを整理していくこともあるのですが、ブランドアイデンティティなしに成立するブランドはありません。打ち出す際に強調するか、控えめに展開するかはブランドごとに差はございますが、ブランドとしての一つの価値基準はブランディングを始める上では欠かせないでしょう。

ブランドバリューの定義

その上で、ブランドの目指す世界観を達成するために、顧客に何を提供するかを整理します。例えばkumuではデザインとマーケティングの領域を横断することで、価値観を大切にしながら市場にサービスを届けることを一つのバリューにしています。食品のブランドだったら、「日常の疲れを癒す」「健康な生活のサポート」などがあるかもしれません。このバリューを元に商品やサービスを考えると点数が増えても軸がぶれずに進めるかと思います。

ビジュアルアイデンティティ

ようやくブランディングっぽい要素が出てきました。書店で見かけるブランディングなどの事例はおおよそここを事例として掲載しているケースが多いかと思います。ロゴ、カラー、フォントなどの視覚的な要素を統一し、顧客とのコミュニケーションの基礎を作り上げる段階です。ここで決めた要素が以降の制作物に反映されていくことになります。

ようやくリリース、変化を恐れずブランドを確立する

ブランドとしての骨子が出来上がったらマーケティング戦略に基づいて想定顧客に向けたコミュニケーションを図っていきます。

マーケティング戦略についてはこちら

しかし、ここでも焦ってはいけません。最初から上手くいくに越したことはありませんが、そういった事例は一握りです。ここまで設計したものをある種仮説だと捉え、変化し続ける姿勢を持ちましょう。

文脈で捉えて変化を受け入れる

ブランディングをしていく中で、この条件がないとそもそもこのブランドメッセージは機能しないとケースがございます。(高機能を謳う諸品だけど、その業界のプロがまだ使用していないなど)新しく始めるブランドは特にこういった「鶏が先か、卵が先か」といった課題に向き合い続けなければなりません。そういった場合に戦略の変更を余儀なくされます。
ここでブランド事業戦略の根本やブランドアイデンティティを見つめ直して、何を変えて何を変えないかを決めましょう。そしてここで適切な判断を下すために戦略があるのだと考えています。仮説がなければ、どこを修正したらよいか分かりませんからね。

ブランドは一朝一夕では形成されない、だからこそ足元取り組みも

最後に、ブランディングは効果を実感するまでに時間がかかる取り組みです。故に長年信頼を積み重ねてきた企業やブランドにはそういった価値があるのですが、それを形成する前に取り組みを中断せざるを得ない事態になってしまったら元も子もござません。
だからこそ、プロジェクトに関わる身としては長期のブランディングの観点も入れつつも足元の売り上げもしっかりと意識したご提案を心がけています。
こういったkumuの支援にご興味をお持ちいただけましたら下記より資料をご覧ください。
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著者情報

株式会社kumu|兵庫県西宮市のデザイン&マーケティング会社

中町勇輝Nakamachi Yuki

大阪府高槻市出身。京都造形芸術大学出身。大学時代に滞在した鯖江市での「いい商品が売れない」ことへのモヤモヤを解決するため、新卒で中小企業のデザイン経営を推進する「株式会社SASI」に入社。デザインとマーケティングの目線でクライアントのブランド支援を行う。目の前の売上と中期的なブランディングの両軸を踏まえた支援を意識しながら成長に貢献。

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