SEO対策を考え出したらマーケティングの骨子にたどり着いた話

2024.08.20

マーケティング

コンテンツが大量に生成される現代において、SEOはより欠かせない要素となっています。
多くの企業が、検索エンジンランキングを上げるために多大な労力を費やしていますが、その過程で得られるものは単なる「検索順位の向上」だけではありません。

実際に、SEO対策を通じて事業の本質やマーケティング戦略の骨子が明確になり、事業全体の方向性が見えてくることがあります。
今回は、SEO対策を進める中でどのようにして事業の核心にたどり着いたのかをお話しします。

はじめに

本記事はseo対策においてのテクニカルな部分には特に触れません。
どちらかというと、kumuがプロジェクトで関わられていただいている中小企業、小規模事業者の方向けのものとなります。
規模が小さい事業、検索ボリュームが少ないものでも(だからこそ)、seo施策を取り入れる意味合いを掘り下げたいと思います。

誰に届けるサービスなのか|ターゲット選定

SEOを始める際、まず行うべきはターゲットの選定です。
自社の商品やサービスを必要としている層は誰なのか、どのような検索クエリで情報を求めているのかを明確にすることが求められます。このプロセスは、単にSEOのための調査として考えられがちですが、実はこれがマーケティングの基盤を固める重要なステップなのです。

たとえば、ある製品を販売する企業がターゲット層として「若年層」と考えていたとします。しかし、SEOの観点からキーワードを調査していくと、実際には「中年層」がその製品に強い関心を示していることが判明することがあります。
このような気付きは、マーケティング戦略全体を見直すきっかけとなり、結果的にビジネスの方向性を大きく修正することにもつながります。

キーワード選定が示すニーズの本質

ターゲットが明確になったら、次に行うのはキーワード選定です。
キーワードは、潜在顧客がどのような問題やニーズを抱えているのかを反映しています。SEOでは、これらのキーワードを分析し、最適なものを選定してコンテンツに組み込むことで、検索エンジンからのトラフィックを増やします。

ここで重要なのは、キーワード選定を単なるSEOの手段として捉えないことです。
キーワードを掘り下げていく過程で、顧客の真のニーズや問題点が浮かび上がってくることがあります。たとえば、「価格」と「品質」という二つの異なる観点で検索が行われている場合、ターゲット層が求めているのは「コストパフォーマンスの高い商品」である可能性が高いことがわかります。
このような気付きは、製品開発やマーケティングメッセージの策定において非常に貴重な情報となります。

コンテンツ作成とブランドメッセージの一貫性

キーワードが決まれば、次に行うのはコンテンツの作成です。
この段階で、単に検索エンジンに好かれるコンテンツを作るのではなく、自社のブランドメッセージと一貫性のある内容を提供することが重要です。

SEOライティングにおいては、キーワードの自然な組み込みや、読者に価値を提供するコンテンツ作成が求められます。
しかし、ここで考えるべきは、ただ検索結果で上位表示されることではなく、コンテンツを通じて自社のブランドメッセージを効果的に伝えることです。

たとえば、高品質で信頼性のある商品を提供しているブランドであれば、そのメッセージがしっかりと伝わるようなコンテンツを作成する必要があります。このようなアプローチは、結果的にSEOの効果を高めるだけでなく、ブランドの一貫性を保つことにもつながります。

競合分析で得られる新たな視点

SEO対策において競合分析も欠かせません。
競合他社がどのようなキーワードを使用し、どのようなコンテンツを提供しているのかを調査することで、自社がどのポジションに立つべきかが見えてきます。
競合分析を通じて、これまで気付かなかった市場のニーズや、競合他社が見落としているチャンスを発見することができます。

また、自社の強みや弱みを再認識する機会ともなります。この過程で、競合他社との差別化ポイントを明確にし、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。

データ分析が示すマーケティングの方向性

SEOは一度施策を行ったら終わりではありません。
コンテンツのパフォーマンスを分析し、必要に応じて修正や改善を繰り返すことで、常に最適化を図る必要があります。このデータ分析の過程で、顧客の行動や反応を詳しく知ることができます。

具体的には、どのキーワードがコンバージョンに結びつきやすいのか、どのページが最も訪問されているのかといったデータを基に、さらにターゲットを絞り込むことができます。これにより、SEOが単なる集客手段にとどまらず、マーケティング全体の戦略を練り直すための貴重なインサイトを提供してくれるのです。

SEOがもたらすマーケティングの本質的な理解

SEO対策を通じて得られる情報や気付きは、マーケティング全体に大きな影響を与えます。ターゲット選定やキーワード選定、競合分析、データ分析を行う過程で、単に検索エンジンで上位表示されることを目指すだけでなく、事業の本質を深く理解し、マーケティングの骨子を明確にすることができます。

SEOはその名の通り「検索エンジン最適化」であり、ウェブ上での露出を高める手法ですが、その過程で得られる情報や知見は、ビジネス全体の戦略に直結するものです。
SEO対策をきっかけに、マーケティングの骨子を見直し、事業の本質を再確認することができれば、それは単なる「最適化」を超えた大きな成果と言えるでしょう。

SEOはマーケティング戦略の一環であり根本の見直しにもなる

これまで見てきたようにSEO対策は単なる施策ではなく、マーケティング戦略の重要な一環です。ターゲットやキーワードを選定する過程で、事業の本質を見直し、マーケティングの骨子を再確認することができます。SEOを通じて得られるデータや知見を活用し、事業全体の戦略を強化することが求められます。

中小企業では特にSEO施策を立ち上げるプロセスで自社のサービスの棚卸しに繋がるかもしれません。
それは、単に検索エンジンで上位表示されるためだけでなく、事業の方向性を明確にし、より効果的なマーケティングを展開するための重要な取り組みだと感じます。

著者情報

株式会社kumu|兵庫県西宮市のデザイン&マーケティング会社

中町勇輝Nakamachi Yuki

大阪府高槻市出身。京都造形芸術大学出身。大学時代に滞在した鯖江市での「いい商品が売れない」ことへのモヤモヤを解決するため、新卒で中小企業のデザイン経営を推進する「株式会社SASI」に入社。デザインとマーケティングの目線でクライアントのブランド支援を行う。目の前の売上と中期的なブランディングの両軸を踏まえた支援を意識しながら成長に貢献。

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