プロジェクトを進める時に大切にしていることと、大切にして良かったこと

2024.08.12

サービス / デザイン / ブランディング / マーケティング

kumuでは事業内容としてデザインとマーケティングの支援を行っているのですが、さらに遡り事業戦略に関しても話をさせていただくことも増えてきました。まだまだ未熟な事業でありながらそういったご希望をいただけるのは嬉しい限りです。

今回はどんなプロジェクトでも共通して心掛けているプロジェクト進行に関してお伝えできればと思っています。

ヒアリング編|話してくれている人の理想を叶えたいから相手の話を鵜呑みにしない

デザインやマーケティング、ブランディングの支援において最も必要なのがヒアリングの段階かと思っています。プロジェクトのスタートであり、ここで双方の考えを共有しないといい成果に紐づきません。

デザインであればなぜ今回それを作ろうと思ったのか、ブランディングであればどういう世界観を目指してどういう発信をするのか。そもそもなぜそれをやっているのか。
根掘り葉掘り聞いていきます。ありがたいことに、ヒアリングが終わった後に、「とても楽しかった」「業務であることを忘れてたくさん話せました」と言っていただけることもございます。

仕様を決めるためのヒアリングというよりは、相手の望むものをひたすら聴いてセッションを重ねていくタイミングです。

本当に欲しいものは、自分ではわからない

ヒアリングをしている時に大切にしていることがございます。
それは「課題解決の手法に関しては鵜呑みにしないこと」です。相談してくれた方の想いの部分を深く汲み取り理想の姿をセッションしながらも、そこを解決するためにはどういう方法がベストかを様々な角度で検討していきます。その中で、根本的に相手が望むもの、今言葉にしている以上の理想の姿を提示するためにあえて手法は参考にしないことが多いのです。
逆に相手の言ってくれている手法を鵜呑みにするのであればkumuが介在する価値はございません。

相手の想いを汲み取り、理想の姿をより鮮明にするお手伝いをするために、気持ちに寄り添いながらも手法とは距離を置くのです。

考案編|ウラか表か、右か左か

ヒアリングを終えた後は持ち帰り提案内容を考えていきます。基本的にクライアントには見えないフェーズではありますが、色々なことを考えなければいけないタイミングでもあります。
ヒアリングを振り返りながら相手の言っていることの本質はどこだろう、その上でこういうコンセプトや方法を取り入れるべきかもしれない、などなど。

時間を区切って考えるというよりは脳裏に焼き付けながら日常生活を送り、生活の中からヒントを得ることもあります。だからこそ、机上の空論ではなく手触りのある内容になるのかもしれません。
■他の類似店舗はどうしているのだろう
→お店に行ってみる。
■この商品を使っている人の気持ちはどうなのだろう
→実際に買って使ってみる。
■このサービスは何が魅力なのだろう
→現場に行き、体験している人の声を聞く。もしくは体験してみる。
など、パソコンを使って考えることだけでなく体を動かしながら想像を膨らませることも多々あります。

その中で今の市場のままでいくのか、変化されるのか。
もし変化せるのであればコンセプトを作り直して提案の必要があるのではないか、などをまとめていきます。

デザイン、マーケティング、ブラディングを行う手前の箇所ですがここがブレるといいアウトプットに繋がらないのでかなり時間をかけます。
初回ヒアリングから提案まで1-2週間ほどいただくことが多いのですが、こういった理由がございます。お待ちいただけて本当に感謝しております。

提案編|飛躍していると感じるからこその対面の重要性

考えをまとめて、提案のタイミングです。
kumuとプロジェクトをご一緒いただいた方ならご理解いただけると思いますが、初回提案時は対面で実施させていただくことが多いです。
それは、初回ヒアリングで聞いた手法から大きく転換した提案をすることが多いからです。

ヒアリングの段階でしっかりとお時間をいただきながら、想定とは違う提案内容がくるというのはクライアントからしたら無下にされていると感じる方もいるかと思います。

しかし、kumuとしてはそれも踏まえてこの方針がベストと考えていると誠意を持って伝える必要があるからこそ、対面で実施させていただいております。
もちろん初期の手法を土台に作っていくケースもございますが、それでも初回は対面でのご提案が多いです。

クライアントと思考を重ねながら話を進める

この提案段階がkumuで最も強みになっている箇所が気がしています。
それは提案内容ではなく、提案の進め方です。

こちらも一度提案を受けてくださったクライアントは分かっていただけるかと思いますが、整理されていない状態や、思考のプロセスから話を始めます。
その中でヒアリングから提案当日までの間にkumuとしてどう受け取り、何を検討したのか。また、何を捨てたのかをクライアントとセッションしながら話を進めていきます。
ですので、一方的な提案ではなく対話形式で進んでいくことが多いです。

ここで大切にしていることはクライアントの頭の中を置いてけぼりにしないこと。
こちらは1-2週間ほどじっくり考えているので答えだけを見てイメージできます。しかしクライアントは初めてみる提案。

しかも以前のヒアリングの内容と想像が違っていたらより追いつけません。提案の成果は提案を通すことではなく、提案をもとにより方針が明確になることだと考えています。
だからこそ対話形式で、場合によっては方針をリアルタイムで修正することもございます。クライアントのためのプロジェクトなので、kumuとしての提案を通すのではなく、提示しながらもその場でベストを見つけてくことを大切にしています。

大切にしているのは納得性と期待感、前に進みたいと思ってもらえるか

提案をする時に成果として意識していることが2つあります。
それが「相手は納得しているか」「期待感が高まっているか」です。よく分からないけど、信頼しているから任せようではなく、クライアントがその打ち合わせ内でご自身の言葉でその方針を説明できるくらい腹落ちしている状態がベストだと考えています。

提案はクライアントのためのもの。だからこそ、クライアント自身が自分のものだと認識できるレベルまで考えを重ねるようにしています。もう一つは「前に進みたくなるような期待感」です。

腹落ちして、さらに既に展開が楽しみになっている。
そこまで練り上げれたプロジェクトは後は制作物を作り込むだけです。クライアントの中でもイメージが湧いてきて、さらにその先の事業展開をその場で考えて話してくれることもございます。

そんな状態で生まれるアイデアは、たとえその場の思いつきであっても面白みがあり、実現できそうな気もしてきます。そういったこちらも予期せぬ話まで広がるのがいい提案かと思っています。

最後に|kumuは創造性を引き出す仕事を目指しています

なぜ提案時までもクライアントと対話しながら進めるのか。
それはkumuとして「創造性を引き出す仕事」をしたいからです。創造性は既にクライアントの中にあって、それがうまく出力できていないだけ。それをスムーズに外に出していくためのヒアリングですし、社会に広げていくためのデザインやマーケティング、およびブランディングです。

これまで仕事をしてきて嬉しいと思う時は、提案したことを次会った時にアレンジしたり、ブラッシュアップしてくれている時です。
kumuの提案がクライアントの創造性を引き出し、さらにクライアント自身の創造性によって変容したり、進化していく。そんな光景を見ることができるのがこの仕事の一番の醍醐味ではないでしょうか。

それでもよく分からんという人のために

とはいっても具体的な支援内容が分からないと相談しにくいかと思います。そういった場合は、一度気軽に話してみませんか?
ヒアリングでもなく、単純にkumuのことを知っていただく機会でもいいですし、ぼんやりとでも今感じている悩みや挑戦したいことをお話しいただきたいとも思っています。

著者情報

株式会社kumu|兵庫県西宮市のデザイン&マーケティング会社

中町勇輝Nakamachi Yuki

大阪府高槻市出身。京都造形芸術大学出身。大学時代に滞在した鯖江市での「いい商品が売れない」ことへのモヤモヤを解決するため、新卒で中小企業のデザイン経営を推進する「株式会社SASI」に入社。デザインとマーケティングの目線でクライアントのブランド支援を行う。目の前の売上と中期的なブランディングの両軸を踏まえた支援を意識しながら成長に貢献。

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