チームとして成果を出すための、伴走支援との向き合い方

2024.04.21

サービス / デザイン / マーケティング

その人の人生に首を突っ込みたいと思えるか。

首を突っ込む(くびをつっこむ)関心や興味をもって、その事に関係をもつ。また、ある事に深入りする

引用:goo辞書

デザイン制作だけでなくマーケティングプロジェクトに派生し、長期間で成果を出すための伴走支援をすることがあります。伴走支援をいう言葉自体は多くの企業が使用しており、解釈がいくつかあるかとは思うので、kumuとしての伴走支援の考え方をまとめる必要があると感じ、今回記事作成にいたりました。

早速結論ではありますが、伴走支援で大切にしていることは「その人の人生に首を突っ込みたいと思えるか」です。いくらフレームワークやチェックリストが充実していても、結局それに向き合う姿勢がないと継続もしなければ積み上げもありません。
かなり精神論的な気がしますがこの点を特に重要しています。その前提の上で、伴走支援というものをどう扱い、どう成果を出していくのかをご説明します。

伴走支援はベタ付きではない、内製を目指したプロジェクト進行。

伴走支援というのは良くも悪くも二人三脚のイメージがあります。
もちろんkumuもそのイメージで取り組んでいます。しかし、ここで一つ気をつけたいのは」、「伴走支援はベタ付きではない」という点です。

クライアント側からしたら、当初は細かくタッチポイントを作ってくれてサポートをしてくれるような認識を持たれると思いますが、サービスとして行っている以上予算がかかります。逆にいうと支援側は伴走支援の形態をとることで安定した収益をあげることができます。このバランス感を意識して伴走支援というものを適切に扱っていただくのがベストだと考えています。

さらに、伴走支援を続けているとプロジェクトで発生する戦略立案や戦術が社内の知見として蓄積されないケースもあります。もちろん全てのケースで発生する事象ではないものの、アウトソースしている認識だとこのような状態が起こり得ます。

伴走支援は半永続的に継続されるものではなく、適切なタイミングで内製していただくのが良いと考えております。そのために、kumuでは段階的に小さなタスクからクライアントに引き渡し内製化するケースもあります。

伴走支援という言葉はビジネスシーンでも使われますが、実は福祉業界でも使用されるようです。以下抜粋です。

問題解決に向けた支援を行うと同時に孤立解消のための伴走型支援を続けます。地域へ「つないだ」後、地域からの情報提供や本人からの相談で、新たな問題が判明した場合、専門支援員は問題解決を図ります。また、「つながり」に問題が生じている場合は、いったん「もどし」、「つなぎなおす」ことで「つながり」を」更新します

引用:伴走型支援: 新しい支援と社会のカタチ p17

福祉目線で書かれているので少し図を書き直すと下記のようなイメージでしょうか。

当初想定されていたビジネス上の課題に伴走し、解決の糸口が見えてきたタイミングで内製化を図る。一定期間後に別の問題が発生した際にはクライアントと支援側が近づき、プロジェクトが再開する。このように近寄ったり離れたりを繰り返すことで成長していくのだと感じます。
また、離れている期間も費用は発生しないものの、お互いの状況を把握できるような取り組みも必要かもしれません。問題が発生した際に即座にチームを組み直し、対処することにつながります。

長期で見るために、短期で結果を出す。

伴走支援という呼び方の通り、プロジェクトによっては数年ご一緒するケースもございます。その際に必要なのが長期的に成果を出すための取り組みと、短期間で成果を出す取り組みの両方を立ち上げることです。

一般的にブランディングというと中〜長期のイメージがあるかと思います。もちろん新しいブランドイメージが顧客の中に浸透していくにはそれなりの時間が必要です。だからといって、短期的な売り上げから目を背けていい理由にはなりません。
長期の施策を実現するために、足元の売り上げを確保するのです。

kumuではデザインとマーケティングを組み合わせた伴走支援をする際に必ずこのポイントを意識しながらプロジェクトを進めます。長期的に開拓していくべき市場をイメージしつつ、直近で売り上げが取れる市場へのアプローチをするなど、両方とも着手します。

これにはいくつか理由があります。もちろん足元の売り上げを確保することで長期的な施策の予算を作るためです。そしてもう一点、中小企業のBtoCブランドの場合は特にですが、既存顧客の何割かが新規の市場と被っている場合があるからです。
セグメントを改め、市場を見直した際に既存顧客から得たフィードバックの一部が新しい施策に活かせる場合もあります。狭く深く技術を深めてきた中小企業が展開するBtoCブランドでは、機能が大幅に変わることはありません。それゆえに、短期的な売り上げ施策から得られたフィードバックが長期の施策にも活かせるのです。

ブランディングは長期的に見る必要があるから今は売り上げが立たなくてもしょうがない。そんなことをいう前にまず無名の状態でも売れるようにするのが支援側の役割であるとも考えています。言うは易しですが、やはりここを意識的に取り組まないと成功するものも成功せず、短期間で頓挫してしまうのだろうなと思います。
伴走支援なのだから、プロセスのデザインも含めて成功体験を積み重ねていきたいです。

kumuではロードマップを提示しながらプロジェクトを進行します。

数ヶ月に及ぶ場合でも、双方で認識を揃えて進行ができるようにプロジェクトの成長イメージをロードマップに落とし込み進行いたします。その通り進めることが目的ではなく、当初の予定がどの程度当たり、どの程度軌道修正が必要なのかを明確にするためです。
伴走支援のプロセス段階から、目線を揃えて成果を出すお手伝いをいたします。

著者情報

株式会社kumu|兵庫県西宮市のデザイン&マーケティング会社

中町勇輝Nakamachi Yuki

大阪府高槻市出身。京都造形芸術大学出身。大学時代に滞在した鯖江市での「いい商品が売れない」ことへのモヤモヤを解決するため、新卒で中小企業のデザイン経営を推進する「株式会社SASI」に入社。デザインとマーケティングの目線でクライアントのブランド支援を行う。目の前の売上と中期的なブランディングの両軸を踏まえた支援を意識しながら成長に貢献。

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