
パッケージをリニューアルして変わったなと感じたこと
パッケージ制作をした時の話
デザインというものは明確な価格設定というものが曖昧で、抽象的なものであるからこそ、金額の変動が大きく存在する業界だなと感じます。
しかし、どれだけお金をかけたらどれだけの効果が出るかわからない。もちろんその通りです。
だからこそ、デザインに予算をかける時に事業者の方々に是非知っていただきたいデザイン制作の体験を記事にしようと思います。
費用関係なく、デザインに向き合うことで生まれた一つのサンプルであり、パッケージをリニューアルすることで挑戦できる市場を変えることができる可能性があるなと感じた案件です。
プロセスの話、現在の販路や価格帯
市との事業でデザイン開発支援という名目のもと、パッケージのリニューアルをご依頼いただいておりました。
どんなデザインにおいてもまず手を動かすというよりは、相手方が何を求めていて、なぜリニューアルしたいか等々のヒアリングを行うことが大切です。
今回の案件でも例によってヒアリングから始めております。
そこで出た課題感としては、現在の販売価格と、それに紐付き発生する販路拡大での壁でした。
今回の案件では米粉を扱った商材のパッケージリニューアルだったのですが、非常にこだわりのある米粉なのに売価が安かったのです。
また、それにより営業するジャンルが限られている状態でした。
今回はデザインだけではなく、価格面でのアプローチも併せて行うことでお互いの認識を揃えながらプロジェクトを進めました。
デザインを変更してみて、販路開拓に可能性を感じた
ヒアリングを行った後でデザインのラフを数回提案しながら、並行して価格のことに関しても話し合いました。パンケーキとして良心的かつ付加価値をつけれるラインはどこか、ラフの段階でイメージしているパッケージの原価も含めて想定しながらデザインを作っていきました。
今回のリニューアルで重点を置いていたのが、販路拡大です。付加価値を高めて高価で売るというのは長い目で見た時に企業にとってもユーザーにとっても良い働きは起こりません。
そうではなくて、この商品をより色んな場所に届ける為にできることを考えました。
最終的にデザインしたパッケージの原価も含めると利益率自体はそこまで変えることはできませんでした。しかし、これまでとは違う雑貨屋やセレクトショップへの営業の可能性を生み出すことができたと感じます。
コンセプトの再提案
ここで大切にしたのは、何をどう打ち出すか、ということでした。米粉でできたパンケーキは体に優しく、良質なのは間違いないのですが、米粉であるが故に膨らみにくく、一般的なパンケーキのような厚さになりません。恐らく初めて焼いた方は失敗したと感じるのではないか?その点をどう解決するかを考えます。
悩んだ挙句、「スウェーデン風パンケーキ」というコンセプトを考えました。スウェーデンではパンケーキは薄く、具材を巻いて食べる文化がある様です。商品の魅力を偽りなく伝え切る答えにたどり着いた様な気がしました。
商品コンセプトを見直すだけでも良い商品であれば開拓できる可能性がある
企画やデザインが出来上がり、リリースをする前にmakuakeを行いました。
結果は172名もの方々に支援いただくという結果に。その後同商品は山陽新聞の地方経済欄に掲載されたとご報告いただきました。
ただ見た目のいいデザインを考えるのではなく、どういう方々に届けたいのか、どういうコンセプトで届けるのかを考えるだけでしっかりと成果を上げることができるのだなと感じる事例でした。